煮るなり焼くなり

あずっしゅの as you wish

読書初心者のための読書を楽しく続けるコツ

はじめまして、a2ush(あずっしゅ) と申します。
今まで全く本を読んでこなかった私が、直近 3 ヶ月で 30 冊以上の本を読むに至っています(自分でもびっくりです)。

今回は読書初心者の私が、自分で気づき実践している「本を嫌にならずに読み続ける方法」を 3 つ綴っていきたいと思います。
なお、この記事は「本には少し手を出しづらくて」や「よく途中で読み終わらずに止めちゃう」というような方を対象にしていますので、予めご了承ください。

参考: 他の記事
「本はいいぞぉ」を自分なりに言語化してみる
装丁に魅せられて〜物理本ならではの良さを語る〜


方法 1: 頭に入ってこない文章は"賢く"スルーしよう

本を読んでいて「何が書いてあるのかよく分からない」や「ここの表現難しいな」と思った経験はないでしょうか。またその度に、次の文章・行に進む速度が低下し、意図せずブレーキがかかってしまったようなことはないでしょうか。
私はこの意図しないブレーキが、本への苦手意識を大きく助長させているのではないかと思いました。

ではどうすればいいのか。「ブレーキがかかるかも」と思う文章に出会った場合は、流し読みしつつ簡単な言葉に脳内変換してみませんか。
具体的な方法を書くにあたって、例として SF 小説のプロジェクト・ヘイル・メアリーの一節を取り上げます。

距離は加速度かける二分の一掛ける時間の二乗。したがって加速度は二掛ける距離割る時間の二乗。公式がすらすら出てくる。第二の天性。ぼくはまちがいなく物理が得意だ。

引用: プロジェクト・ヘイル・メアリー(上)
(備考: 上記は、なるべくネタバレにならない範囲で例になりそうな箇所を引用しました。これよりも、もっと"科学科学した"文章はいっぱい登場します。 ※ちなみに、とても面白い小説です。)

この作品は SF を謳っているだけあり、物理・化学・生物学に関する文章がたくさん登場します。
そのため、自分に知見のない領域の文章を読んでいると「...難しいな」「どういうことだってばよ」と意図しないブレーキが何回も発生しそうになります。

しかしながら、「つまりここで表現したいことはなんなのか」を念頭に難しい文章を簡単な言葉に変換することで、読み流しつつもすっと理解することができるようになります。
例えば、先の引用は以下のように粗く変換できそうです。

「ぼくは物理に詳しい」(脳内: 物理に詳しい人が出てきた、覚えとこう)

「加速度かける二分の一掛ける時間の二乗」云々という文章は、ストーリーという"流れ"を理解する上では重要度が低いと自己判断できそうです。

o(`ω´ )o < 「おいおい、それだと著者の表現や意図を汲み取れないじゃないか。見方によっては作品を冒涜しているんじゃないのか。」

そういった批判もあるかもしれませんが、私のような読書初心者によっては「読書が嫌いにならないこと」「その作品を自分なりに楽しく読み終えること」の方が大切です。
もちろん作中の表現をそのまま理解できることが一番望ましいですが、一朝一夕で読書スキル・知識が大幅上昇するわけではないため、その時点で理解しづらいものは理解しづらいのです。 半ば開き直った上で、簡単な表現に脳内変換しちゃいましょう。
そして面白さの観点で言えば、ストーリーの流れが掴めていて、詰まらずにテンポ良く読めているのであれば、割と面白く読めるはずです。

そもそも、読む人によって作品の理解度が異なっている、という状況は悪いことなのでしょうか。 同じ作品でもそれだけ解釈のしようがある、楽しめる余地があるというのは、むしろ良いことなように思えます(それが「本」の深さ・面白さと言えるかもしれません)。

もし、「結構読み流ししちゃったな」と思う作品があれば、この先読書を続けて難しい表現でも理解できる素養をつけてから、あとでもう一度読み直せばいいと思います。 おそらく後で読み返すと、話の展開が分かっているために細かいところまで認識できるようになり、2 回目でも十分面白く読めるはずです。

方法 2: 一気に読もうとしない

最初から一気に読もうとせずに、例えば「第一章(大体 50 ページくらい)まで読んだら一旦本を置く」と読む前から区切りを持ってみるのはどうでしょうか。

私は、ジャンル問わず夜に本を読むことが多いのですが、かなり面白いと感じる本でも、50 ページほど読んだあとは本を置き、一夜明けるように心がけています。
そして、また次の日同じ本を読むまで(例: 料理しているときや歩いているとき)に、小説であれば登場人物や舞台を頭の中で再整理したり、ビジネス書であれば第一章でどんな内容を得たのかを振り返ったりして、「次をはやく読みたいな」と思う気持ちを自分からも作りにいっています。

正直「一夜空いて内容をちょっと忘れてしまった..」ということはたまにありますが、「忘れちゃうから一気読みしなければ!」と最初から気負ってしまう方が変なプレッシャーがかかり、私は楽しく読めなくなります。 また、第一章以上読み進めてしまうと、「ここで止めるくらいなら最後まで読むか」という気持ちになり、夜更かしをして、次の日の朝後悔してしまう可能性があります。

冒頭から述べているように、この記事では「読書初心者が本を嫌にならずに読み続ける」ことを重要視しているため、少しくらい忘れてしまったとしても、楽しく続きを読み始められるのであればまったく問題ないと考えています。
ただ「一気読みはしないでおこう」と自分ルールを課す中、「第一章が面白すぎて続きを読みたくて読みたくてしようがない」と感じれた場合は、夜更かしを気にせずその欲望に身を任せて、第二章第三章と読み進めてもいいかもですね。

方法 3: 第一章まで読んで「無理だ」と思ったらいっそのこと止めちゃう

方法 1 の頭に入ってこない文章は"賢く"スルーしようを行っても、どうしても難しくて理解できない(脳内変換すらできない)文章や、文章表現が自分に合わない本と出会う機会はあると思います。
そんなときは、「第一章(大体 50 ページくらい)までは読んでやるよ」と謎に上から目線で前向きな気持ちで読み進めつつ、50 ページ経っても自分の気持ちに変化がない場合は、以降その本は置いてしまいましょう。

その時点でその本は読み終えれなかったことになりますが、読書自体が嫌いになってしまっては元も子もありません。 自分の読書熱を下げないために、まだ見ぬ感動の一冊を読むために、"止める"という選択肢も用意しておきましょう。

また、「なんかよく分からないけど苦手だなこの本」と自分の気持ちを上手く言語化できず、読み進めるモチベーションが湧いていないと感じた場合は、オンラインショッピングでその本の星 2 レビューを読んでみるのもありです。
自分の「なんかよく分からないけど苦手」というふわっとした気持ちと向き合う機会をもつことで、自分の言語化能力・表現幅を増やすことにも繋がり、「苦手と感じている仲間がいた」と謎の親近感を持つこともできるかもしれません。 そして 50 ページを過ぎたときに、より強い意志をもって「この本読むのやめた!」と未練なく決断できるはずです。
(星 1 レビューは発送不手際など商品自体に関係のない箇所に不満がある場合や、中には感情的になりすぎているコメントも少なからずあるため、まずは星 2 くらいの温度感のレビューコメントを見るのがいいのかな、と個人的に思っています。)


少しでもこの記事が皆様の参考になれば幸いです。
これからも楽しく、本を嫌いにならずに読書を続けるために、一緒に上手く立ち回っていきましょう!

a2ush(あずっしゅ)